Gâteau Opéra / ガトー・オペラ
ある一皿の料理がお客さまのテーブルへ運ばれたとき、一瞬、そのお客さまの動きが止まり、皿の上に目が釘付けになることがある。
その瞬間を、キッチンとホールの隙間から覗いているのが好き。快感だ。

Gâteau Opéra / ガトー・オペラ
このお菓子には、深い思い入れがある。
なにしろ、俺がパティシエの経験をするきっかけになったお菓子だから…。
はじめて食べたのは、つくばの名店「Fresson フレッソン」のガトー・オペラだった。
狂いのない完璧な長方形にカットされ、黒く輝くマーブル模様の表面の光沢が綺麗で、上品に添えられた金箔もセンスがよく、エレガントでシャープ。
コーヒーとチョコレートが一体になって、口の中で香りが爆発するようで、それまでに食べた『ケーキ』とは明らかに一線を画するものだった。
そのときの感動は、今でも覚えている。
お菓子を食べて、初めて味わう感動。
ちょうどその一年後に、さらなる感動を求めて、俺は「Fresson」へ入店した。
この菓子を食べていなければパティシエになっていなかった、そんな運命的な一品だ。
さて。
「Opéra Garnier」(オペラ・ガルニエ)をご存知だろうか?
──シャルル・ガルニエが設計し、1875年に完成したオペラ座。絢爛豪華な装飾と存在感のある重厚な彫刻で有名な建物だ。
「ガトー・オペラ」は、このオペラ座をモチーフに創作されたと勘違いしているパティシエも多いが、それは後から捏造した偽りのものだ。事実。このお菓子の元の名は『クリッシー』という。
そもそも、「クリッシー」はポール・ビュガが創作したもので、それが後に「ダロワイヨ」に伝わり、「オペラ」と名付けられた。──これが、「ガトー・オペラ」誕生の真実だ。
材料
- ビスキュイ・ジョコンド : 3枚
- シロップ
- コーヒー風味のバタークリーム
- ガナッシュ
- グラサージュ・ショコラ
- クーベルチュール・ショコラ
- 金箔